2012年4月30日

検証・筋場理論-その2-

 皆さん、もうヨダログ見ました?
 
筋場理論について依田九段が出した問題に答えると、正解者の中から抽選で5人に、依田九段のサイン入り扇子がもらえるとのことです。

ちょっと面白そうなので、私も答えを考えてみたいと思います。でも、このブログを見てくれてる人の中で、自分で答えを導き出したいという人がいたら、ここから先の記事を読むことでネタバレになる可能性もあるかも知れないので、その点は注意してください。

 問題はこうですね。

黒1の星に対し、白2にカカリ、黒ハサミ、白三三入りの基本定石の進行中、次に黒がAにツグ手は、一路左に空き三角が出来るので、筋場に打つ手に見える。でも手割論でいうと、Aに打つ手は筋場に石が来ているとは言えないらしい。それは何故か?ということですね。

まあ、手割とか筋場理論とかそういうの抜きにして普通に考えると、Aにツグ手が悪手だという人は多分いないだろう。次にここを白に切られると地としても大きいし、ここをツナぐことで、白を分断でき黒が厚くなるから悪いはずがない、というのが普通の解答だと思う。
でもこれでは、Aが手割的に筋場にいっていないことを説明できてることにはならないのだろうか
・・・?

 まあ間違ってはいないのだろうけど、依田九段は、Aが筋場に行っていない理由を「一言で説明できる」と言っているし、多分もっと筋場理論的な答えを求めてるような気がするので、ちょっと違う答えを探してみたいと思う。

依田九段は、筋場理論で手筋を定義すると、「利き筋を使ったときに、できる筋場に相手の石を持ってきてから利き筋を使う、あるいは相手の石を筋場に持っていくような打ち方、自分の石が筋場に行かないようにする打ち方」と言っている。

ここにヒントがあると思う。つまり・・・


黒が▲にツナぐことによって、今度はその瞬間、白Bの石も筋場に打った理屈になっている。白Bの石が無いと仮定して、黒からBのところに打つのは考えられないから、白Bの点は明らかに筋場である。手割的に言って、▲にツグ手は自分だけが筋場に打ったことにはならないわけだ。

というわけで、私の導き出した答えは、黒ツナギによって、Bの手を筋場に打たせたことに(悪手化)出来るから・・・、ということにしておきたいと思います。

もしこのブログ見てくれてる人の中に、依田九段の扇子は欲しいけど「答え全然わかんねーや」という人がいたら、今回のこの記事を参考にでもしていただけたら幸いです(答え間違ってても、責任は取れないけど)。是非とも扇子を獲得してください!
 
筋場理論については、依田九段いわく、筋場に打つ手でも良い手になる時があるとか、死活や攻め合いや一線二線の手には当てはまらないことが多いとか、碁の筋には筋場理論とダメ詰まり系の二種類あるとかで、まだ明らかになってない部分も多いので、今日はここまでにしておきたいと思います。
 
「筋場理論」は、あくまで筋の良し悪しを見極める為のもの、ぐらいに理解しておくべきなのかもしれませんね。着手の善悪については、「手割り」なども絡めて複合的に判断していく必要がありそうなので。では、また今度!

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