2013年4月26日

結城十段誕生!

今日、第51期十段戦五番勝負の最終局が行われ、大熱戦の末、白番の結城挑戦者が1目半勝ちし、シリーズ3勝2敗でタイトル奪取に成功しました。結城新十段の七大タイトル獲得は、2010年の天元戦以来3年ぶりですね。結城新十段、おめでとうございます!
ちなみに、終局は18時54分、残り時間は両者とも残り1分だったそうです。

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 産経ニュース十段戦第五局

 本局は、五番勝負の最後を飾るに相応しい大熱戦になったと同時に、タイトル戦史上に残るんじゃないかというぐらいのヨセの名勝負となりましたね。


 黒 井山裕太 白 結城聡 白の1目半勝ち

中盤85手目から左辺でコウ争いが始まり、黒はコウダテで下辺を制しますが、代わりに白にコウを解消され左辺を荒らされては、白にはっきり形勢が傾いたようですね。
続いて100手目のシボリや124手目の二子取りなど白に気持ちのいい手が続き、結城新十段誕生も間近かと思われましたが、しかし井山十段ここから驚異の追い上げを見せます。

白は128手目あたりで、先に中央の消しに向かえば勝ちが近かったようですが、上辺を優先した為、黒135のケイマまで中央に黒の大地が出現し、勝負は一転してヨセ勝負の様相を呈してきます。その後も井山十段粘りを見せ、一時は敗勢かと思われた碁を何と半目勝負にまで持ち込みました。
しかし、両者の間で半目が揺れる中、結城挑戦者の放った204手目のオキが鋭い勝負手でしたね。一瞬持ち込みの損が心配になりそうな手ですが、どうやらこれが決め手となったようで、白の勝ちが確定し同時に結城挑戦者、自身初の十段位を獲得することに成功しました。

パンダ解説から。204手目に打たれた▲のオキが、コウ材づくりを見た絶妙な手段だったようですね。この手で普通に白Aと打って寄せると半目勝負だったようですが、▲からコウ材を増やしたことによって実戦Bと打って頑張る手が成立し、白の勝ちが確定したとのことです。見事なヨセの手筋でしたね。

そして、これであらためて結城新十段誕生となったわけですが、本当に今シリーズは結城新十段の充実っぷりが光ったシリーズとなりましたね。
この最終局も、今までの結城新十段だったら、そのまま勝負がひっくり返って井山十段の逆転防衛でもおかしくなかったと思うけど、それを踏みとどまって勝ち切ったというのが、最近の結城新十段の好調ぶりを物語っている気がします。

そして、これで井山六冠は五冠に後退ということで、残念なことに七冠制覇からは遠ざかるという結果になってしまいました。
まあ、まだ七冠がこれで完全になくなったわけでもないかもしれないけど、どうやら七冠制覇への道は、想像以上に大変だということを今回思い知らされましたね。
私は、七冠制覇への最大の難関は、名人戦に挑戦できるかどうかで、防衛戦も二日制の本因坊戦が一番の鬼門だと思ってたんだけど、思わぬところに伏兵がいたって感じですね。
最近の井山五冠は、持ち時間3時間のタイトル戦では敵なしといった感じだったので、何も心配してなかったんだけど、当初の予想に反して結城新十段本当に強かった!

まあ、井山五冠には気を取り直してもらって、また来年のリベンジ目指して頑張ってほしいと思います。これから先もまだ厳しい防衛戦は続くし、ここが踏ん張りどころですね。そしてまた、七冠制覇への道を切り開いてくれることを願いたいと思います。では、また。

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