2013年8月9日

第38期碁聖戦第四局

第38期碁聖戦第四局は、189手までで黒番の井山碁聖が中押し勝ちし、シリーズの対戦成績を2勝2敗のタイに戻しました。
終局時間は19時35分、残り時間は持ち時間4時間のうち、両者ともに残り1分だったそうです。

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 黒 井山裕太 白 河野臨 黒の中押し勝ち


パンダ解説から。64手目まで穏やかな進行でいい勝負だったようですが、黒65手目で▲に打って下辺を生きにいったのが大きかったようですね。なので、白は60手目のAと打った手では下辺に手を回すのも有力だったようです。
一応解説では、白が下辺に打つならBやCが指摘されていましたが、白Bで左下を地にしようとするとJ3などで値切られる余地が残るし、白Cでは味よく左下の黒石を取れてるとは言えないようなので、河野九段ちょっと下辺は打ちづらかったのかもしれませんね。

この後、白は左下の黒を攻めにいきましたが、93手目のケイマまで脱出しては黒優勢になったようです。

終局図で白Aと切ればコウになりますが、黒はコウ材足りてるという判断のようですね。黒は▲に抑えずともだいぶ優勢だったようですが、最後まで最善を尽くすあたり井山五冠らしいですね。

これで2勝2敗のタイとなり、五番勝負はフルセットにもつれこむことになりました。
第三局終わった後、名人戦のプレーオフやら何やらで井山五冠全然休むどころじゃなかったですね。でもその名人戦では、一時は絶望的かと思われた状況から挑戦権を勝ち取り、年間タイトル全出場という新たな記録まで作ってしまった上、この第四局でも相手にに付け入る隙を与えることなく完勝ということで、逆転防衛に向けてお膳立ては整ったって感じですね。

またこの第四局では、43手目、49手目、59手目の二線の手連発など、今までの井山五冠の碁ではあまり見たことのない打ち方が目を引きました。以前は最強手にこだわり過ぎて、優勢時に相手に反撃の余地を与えてしまうといったことが度々見受けられた気がしますが、今日はとにかく分かりやすく勝ちにいったという感じがしました。世界戦を意識して最強の手を選び続けてきた井山五冠ですが、今度は七冠制覇を目指す為に、より安定した新しい打ち方を試みているのかもしれませんね。

第38期碁聖戦第5局は、8月23日(金)に大阪市「日本棋院関西総本部」で行われる予定です。とりあえず碁聖戦に関しては、何とか最後まで記事を書きたいと思っています。名人戦以降はどうなるか分かりません。では、また。

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