2013年9月26日

第38期名人戦第三局

第38期名人戦の第三局は、275手までで黒番の井山挑戦者が1目半勝ちし、シリーズの対戦成績を2勝1敗としました。
終局は19時47分、残り時間は両者ともに残り1分だったそうです。


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 黒 井山裕太 白 山下敬吾 黒の1目半勝ち

封じ手(64手目)は三々でしたね。
封じ手以降、白は右辺に手をつけていきますが、黒も手厚く打ち進め、115手目あたりで中央を厚くした辺りでは、少し黒が打ちやすくなったようですね。
このまま井山五冠が勝ち切るかと思われましたが、144手目と出られたとき井山五冠には珍しく中央の具合に誤算があったようで(黒は141手目で一路右なら問題なかったとのこと)、ここから事件が発生しました・・・

BS解説から。144手目で白がAと出た時に、1と二子を取ると2と出られて、以下6まで分断されてしまいます。

 前図3で、1とコスんでも、2のツケコシから分断され、下辺黒が助かりません。

というわけで、井山五冠黒2と打って連絡しましたが、凄い我慢ですね。白3と二子を助け出されるのは地としても大きいし、まだAのワリコミを防ぐ為に黒4に一手掛けなければならないので、黒つらすぎるようにも見えるけど、でもここから黒勝ったわけだから凄すぎますね。

私なら自棄を起こして、白1に対して意地でも黒3に打って投げ場を求めるといったことも考えてしまいそうなものだけど、でもそれじゃダメなんですね。トップ棋士の精神力の強さを思い知らされました。

151手目で1とノゾいた手に対し、2と解消したのは小さかったとのこと。この手では、Aと打ってここの黒石を取っていれば、白が僅かに形勢が良かったとのことです。

この後、191手目から中央のコウ勝負になりましたが、山下名人がコウダテで打った196手目のアテが自らのダメを詰める失着で、199と逆に白を取る手が生じては、再び黒に形勢が傾いたようですね。

とりあえずこれで井山五冠が2勝1敗でリードとなりました。ミスについては、両者ともそれなりにショックはあるのかもしれないけど、気を取り直してもらってまた熱戦を期待したいと思います。

第38期名人戦第4局は10月9日(水)、10日(木)に福岡市「アゴーラ福岡山の上ホテル&スパ」で行われる予定です。では、また。

追記:朝日の観戦記










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