2013年9月21日

第38期名人戦第二局

第38期名人戦第二局は、162手までで白番の井山挑戦者が中押し勝ちし、シリーズの対戦成績を1勝1敗のタイに戻しました。終局は18時39分、残り時間は持ち時間8時間のうち、黒番の山下名人が残り3分、井山挑戦者が残り2分だったそうです。

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 黒 山下敬吾 白 井山裕太 白の中押し勝ち

封じ手ですが、キリ(42手目)でしたね。私は、利きを打ちそびれて負けるパターンが多いので、色々考えてはみたものの、普通は単に切るところですね。

その封じ手から戦いは激化していきますが、62手目から70手目まで、右下一帯の黒を取り込んで地にしたあたりで、白が良くなったようです。このあたり山下名人に誤算があったかもしれないとのこと。
黒は非勢とみて87の分断から99と厳しく中央を攻めにいきましたが、井山五冠怯むことなく下辺に踏み込みながら堂々としのいで、勝ち切りました。

パンダ解説から。黒61手目でAとコスミ付けた時、単に1と右辺を活きに行くと、以下12まで黒を取れるものの、外の締め付けが全部利くので、これは黒の理想図とのこと。

前図9で脱出を図ろうとしても、16までうまくいきません。

      
というわけで井山五冠、62手目でカケを飛ばしましたが、これが好手だったようですね。

意味としては、仮に同じような変化になった時、今度は▲の交換が働いて、白は封鎖されるのを防ぐことが出来るというわけです。変化は多岐にわたるものの素晴らしい手でしたね。

結果的にAのコスミツケが敗因になってしまった感じなので、59手目では1とゆるやかに打った方が良かったかもしれないとBS解説の結城十段は言ってましたね。

BS解説から。85手目で更に右辺を追及しにいくと、以下13までAのところのコウになりますが、これは白有利な2手ヨセコウなので、黒が苦しいみたいですね。

前図で1のオキから攻めようとしても、6と背中からダメを詰めるのが好手で、次にAと当てるオイオトシが生じるので、白助かっています。

122手目で1と取ってしまうと、黒2以下で左下を取られてしまいます。

135手目のAとオキに対し、白1から取りに行こうとしても簡単には取れません。というわけで、井山五冠136手目で譲歩しましたが、十分という判断だったようですね。

141手目で1から切断に行こうとしても、白4まで連絡しています。

というわけで1勝1敗となりましたが、第1局と似たような展開から今度は井山五冠勝ったというのは、非常に大きいですね。やっぱり連敗となると厳しくなったと思うし、逆にこれで次勝って連勝となればハッキリ流れが来ると思うので、良かったです。

それにしても、この二人の碁は本当に面白いですね。
正直言って記事書くの面倒なので、夏に「ブログ休止宣言」した通り、ブログの更新放棄して、一ファンとしてシリーズを楽しもうかと考えています。
今後も難解な対局が続くだろうし、変化が多すぎて記事にするの大変なんで、以前も述べたように新聞等できちんとした解説見てもらった方がいいと思います。なので、次から対局内容についてあまり詳しく書かなくなるかもしれませんが、ご了承ください。

第38期名人戦第3局は、来週25日(水)・26日(木)に兵庫県宝塚市「宝塚ホテル」で行われる予定です。では、また。

追記:朝日の観戦記


























2 件のコメント:

  1. 匿名9/23/2013

    名人戦第2局が終わり、1勝1敗となったとのこと。
    山下名人にも防衛してもらいたいと思う一方で、井山五冠には七冠目指して頑張ってほしいと思う気持ちのほうが勝っています。
    そして、世界棋戦でも・・・と、期待しています。

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  2. 世界戦は、井山五冠は11月のLG杯以降は、中々忙しくて出られないかもしれないのが痛いですね。農心杯なんかは、これで3年連続出場なしだし。
    でも、取りあえずもうしばらくは、七冠の方に専念してもらいたいと思います。

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