2017年1月13日

ヒカ碁について語る1

ヒカルの碁についての妄想。
もしヒカルの碁の続編があったとするならば、その物語のラスボスとなるのはおそらく「最強のコンピューターだったんだなあ」というのをAlphaGo登場によって思った。
そもそも作中で「神の一手はコンピューターから生まれる」とか、「碁でコンピューターが人に勝つにはまだ100年かかる」とか言わせてて、ラスボスの伏線としてこれほど分かりやすいものもないわけで、北斗杯編で対人戦・世界編を描ききった以上、次はVSコンピューターというのが少年漫画的にも王道展開と言えたんじゃないかと思う。まさか宇宙編始まって宇宙人と囲碁勝負なんてわけにもいかないだろうし。

北斗杯編から10年後ぐらいを舞台に、ヒカルやアキラの活躍を描きながら、ネット上に現れた「新たなるsai」の謎を追って最終的に「新たなるsai」=「AlphaGo的な最強コンピューター」と戦う展開とかだったら一本行けてましたね。
しかもそれが、佐為のネット碁100人斬りの棋譜をベースに作られたAIとかだったら、疑似佐為VSヒカル・アキラ・緒方・塔矢行洋なんかも描くことも出来て、かなり熱い展開も期待できたはず。
ただこういった話をやるなら、少なくともAlphaGo登場以前、出来れば5年ぐらい前までにやっておかないと、コンピュータ囲碁がこれほど進歩した今となっては、ネタバレもいいところでだいぶ面白みも減りますね。
ヒカルの碁は現実の囲碁界を先取りしたところがあるのが面白さの一つだと思うけど(五冠棋士、中国リーグ参加、若手世界戦など)、今は現実が漫画を超えてしまってるので、どうやっても二番煎じ感は拭えないだろうし。
ただAlphaGo登場以前にこういった話をやれたかというと、それも難しかっただろうと思う。ヒカルの碁連載当時の常識や感性から言えば、「最強のコンピューター」というのも十分「宇宙人」に匹敵するぐらいのトンデモ話もいいところで、現実路線の漫画であるヒカルの碁でやるには全ての物語や世界観が崩壊しかねないぐらいのSF設定もいいところだったからである。
それほどに当時のコンピューターはまだ弱く、また5年ぐらい前の時点ですらこれほど急速に急激にコンピューターが強くなるとは誰も予想し得なかったわけである。

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