2013年6月18日

第68期本因坊戦第四局

第68期本因坊戦の第四局は、167手までで黒番の井山本因坊が中押し勝ちし、シリーズの対戦成績を2勝2敗のタイに戻しました。
終局は17時38分、黒番の井山本因坊がが残り6分、白番の高尾が1時間35分だったそうです。

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 黒 井山裕太 白 高尾紳路 黒の中押し勝ち

封じ手ですがハネ(60手目)でしたね。単に下辺を受けるのではなく、より厳しくいった手のようですね。この手は実はちらっと考えたんだけど、幽玄の予想ヒント見た瞬間に候補から消し去ってしまったので、ちょっと惜しかったです。でも、これだけ連続して外すと、なんか予想するのが嫌になってきますね。

一日目(59手目まで)の形勢については、プロ棋士の間では白がやれるんじゃないかという意見が多かったようですね。
しかし、封じ手直後の61手目のキリが手筋で、実戦75手目まで黒のサバキが決まっては黒優勢になったとのことですね。その後白も打開を求めていきましたが、井山五冠相手に付け入る隙を与えることなく、手厚く押し切りました。

 第68期本因坊戦第四局

井山本因坊の話:「1日目は苦しいと思った。封じ手後、うまくさばけて好転した。後は少々もたついたが、右辺が大きくまとまり、勝ちを意識した。

高尾挑戦者の話:「封じ手前後がひどく、さばかれては、一気に駄目にした。誤算があった。以降は打ってみただけ。気持ちを切り替えて、次局に臨む。」

パンダ解説から。実戦12手目は高尾九段が温めていた新手とのこと。三々入りに対しては、白14まで厚みを築いて、白A~Dのカミトリも残り、白に不満はなさそうとのこと。

封じ手直後の1がサバキの手筋で、黒15までとなってはAのアテで連絡する手も残り、黒のサバキは成功したとのことです。

詳しい検討をしてないのでよく分からないとのことですが、前図白2では、1と当てた方が良かったかもしれないとのこと。

黒1~5のカケは白のダメ詰まりの具合をみて、うまそうな手でしたね。

白も1から進出をはかりますが、どうもスムーズに突破する手はないようで、種石の三子を取られては黒にハッキリ形勢が傾いたようです。もしかしたら、白1の手に誤算があったのかもしれないとのことですね。
この後99手目から左上を捨てたのが107手目からの攻めを見て好判断だったらしく、更に119手目のキリから右辺をまとめにいったのが決め手となり、勝ちが決まったようです。

終局図で1と受けても、黒2とコウを取られて、白からのコウ材がないのでどうしようもないですね。右辺の黒地が大きく、地合いもだいぶ黒が良さそうだし。

最近の井山五冠の碁は、何か無理してるというか、置き碁の上手みたいな打ち方だなあと思ったりして、負ける時はボロボロにされてる印象だったけど、今日の勝ちっぷりは圧巻でしたね。国際戦でいい勝ち方したので、調子が戻りつつあるのかもしれませんね。

高尾九段は残念でしたが、今日の碁は中央の攻防で一気に勝負がついてしまってどうしようもなかった気がするので、気を取り直して次頑張ってほしいと思います。

これで対戦成績は2勝2敗の五分となりましたが、まさしく一進一退といった感じですね。この感じだと第七局までいくんじゃないだろうか。
そして、次はいよいよ第五局ということで、どちらが先に王手をかけることになるのか注目の一局ですね。ここまで熱戦が続いてるので、次も面白い碁を期待したいと思います。
第68期本因坊戦第五局は、来週24日、25日に大阪府吹田市「ホテル阪急エキスポパーク」で行われる予定です。では、また!

2 件のコメント:

  1. 匿名6/19/2013

    同感です。
    序盤から布石というより戦いで、厳しいが無理気味に見えることが多かったように思います。
    相手にうまくその無理気味な手をとがめられて、序盤から不利なことが多かったように見えました。
    今回も相当危ない序盤だったと思います。
    今回や世界戦をみると、井山5冠は精神的には立ち直ったようでほっとしているところです。
    井山5冠は、序盤から厳しいうち方を続けるでしょうから、読みきる精神力の持続とその深さがどうかだと思います。
    この読みが最近井山らしくないように思いましたが、それは復活したように思います。
    何時も重要な対局のご紹介ありがとうございます。

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  2. コメントありがとうございます。
    昨日の勝ち方を見る限り調子が戻りつつあるようなので、私も少し安心しました。
    でも井山五冠は、棋風もそうだけど、突然調子が崩れたり、かと思えば戻ったりで、よく分からなくなってきますね。

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