2013年6月6日

第68期本因坊戦第三局

第68期本因坊戦第三局は、167手までで黒番の高尾挑戦者が中押し勝ちし、シリーズの対戦成績を2勝1敗としました。終局は17時36分、残り時間は黒番の高尾挑戦者が残り1時間42分、白番の井山本因坊が残り2分だったそうです。

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 黒 高尾紳路 白 井山裕太 黒の中押し勝ち

封じ手ですが、ブツカリ(70手目)でしたね。昨日の予想はそこそこ自信あったんだけど、井山五冠の手は難しいですね。あの手を当てるのは私にはちょっと無理でした。
その封じ手から右辺で難解な読み比べが始まり、白は116手目まで右下を破りましたが、右辺で多少持ち込んでいるので、それほどの得はしていないようですね。
戦場は下辺へと移り、黒121のノビキリに対して、白は下辺を味よく地にする手はないとみて、122と切って勝負に行きました。ここから攻め合い含みの難解な戦いとなりましたが、パンダ解説の蘇耀国八段によると、130のキリが無理気味で、黒135までとなっては白に良い図は見つからないとのことですね。白130手目では、148手目のところに打って様子を見るのが良かったとのことです。
白は152手目から下辺に仕掛けていきましたが、この手では苦しいながらも中央のシノギを目指すしかなかったようで、実戦高尾九段が白の仕掛けを鮮やかに封じて、勝負を決めました。


 両者のコメント

高尾挑戦者:「2日間を通じて形勢はよく分からなかった。優勢を意識したのは、最後、下辺で生きがみえてから。次局も精いっぱい打ちたい。」

井山本因坊:「1日目、左上は手割りになっておらず良くなかった。以降はずっと苦しく、終盤は勝負形になったと思ったが、一歩足りなかった。」

    
BS解説から。実戦90手目、白1とハネた手がまずかったようで、黒2のツケで無条件取られとなっては、黒に形勢が傾いたのではないかとのこと。このあたり、どうやら白に誤算があったようですね。

前図白1では、1と打つ方が良かったらしく、以下9までコウになります。黒の上辺への進出を阻止する為に、白A黒Bの交換はどこかでしておいた方がいいかもしれないとのこと。続いて・・・

白6まで、次に黒がAに取ってコウになります。白はまだBのダメを詰めなければならないので一手ヨセコウですが、黒は負担が大きいし、白はコウダテでどこか連打できるので、これなら白良しとのことです。

終局図から、白1~3で頑張ろうとしても、黒4のマガリでAとBが見合いになるので、黒を取ることは出来ません。下辺の黒が生きてるとなると、中央の白も助からないので、投了も止む無しですね。

黒の眼を潰す為に3のアテを決めても、白もダメが詰まるので、8に出られて収拾がつかなくなります。ご確認ください。

これで高尾挑戦者が、本因坊奪取に向けて2勝目を上げることになりましたが、強いですね。石が踊らないというか、高尾九段らしい手厚い石運びと力強さが印象的な一局でした。
井山本因坊の方は、どうも調子が悪そうな感じですね。先日の名人リーグでも負けてしまったし。・・・ちょっと心配になってきますが、次の第4局まで二週間空くのでその間に調子を取り戻してほしいですね。

第68期本因坊戦第四局は6月17日、18日に宮城県白石市の「碧水園」で行われる予定です。追加情報が入れば、また何か書くかもしれません。では、また。

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